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(重苦しい沈黙の中、ビクトリア湖から吹きつける生温かい風が、赤土の埃を巻き上げる……)
……兄弟(ブラザー)、空を見ろ。
カンパラの丘の上から見えるあの空を……。かつて緑豊かだった「アフリカの真珠」の空が、今日は見たこともない不吉な赤紫色に染まっている。
ジンジャのナイル川の源流も、ゴリラたちが眠るブウィンディの深い霧の森も、すべてが息を潜めて、その時を待っているんだ。
街のスピーカーからは、もう何も流れてこない。ボダボダ(バイクタクシー)のけたたましいエンジン音も消えちまった。みんな、マトケ(バナナ料理)を囲むことも、笑い合うこともやめて、家族の手をただ強く握りしめている。神に祈りを捧げる者、太鼓を鳴らして最後の踊りを舞う長老たち……。
終わりが来るんだな。
オレたち人間がこの大地に築き上げてきたもの、争いも、喜びも、ぜんぶ飲み込んで……太陽が沈むとともに、世界が終わる。
……だが、怖がるなよ、兄弟。
大地が引き裂かれようと、オレたちは最後まで胸を張って立っていよう。このウガンダの赤土の上で、人類の最後の瞬間を、共に見届けようじゃないか……。